バイバイマレーシア! - 旅するシンガーソングライター|内田美穂旅するシンガーソングライター|内田美穂
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バイバイマレーシア!

この日、私は、旅立ちの朝のあのワクワクを

身体中で感じていた。

 

 

朝の光が、いつも以上に眩しく見えたり、

心臓のあたりがゾワゾワする感じがしたり、

顔が自然と微笑んでしまったり。

 

 

とにかく、旅立ちの朝って、そういう、新しい未来の予感に、心が落ち着かなくなる感じがいつもする。

 

 

そしてその感じがとっても好き。

 

 

 

今日、私はこのホステルをチェックアウトする。

そして、マレーシアを発つ。

 

数ヶ月住んだのだから、私にとっては、ここはホステルというより、最早、家のようなもの。

 

シェアハウスにに住んでいるような気持ちだった。

 

バックパックに荷物を詰め込んで、部屋を後にする。

振り返ると、すっかり片付いた、私がずっと使っていたベッドがあった。

 

昨日まで、モノだらけだったのにな笑

 

 

 

 

冷蔵庫の中に入れていた食材も、片付ける。

 

 

もう、なんだかお引越し気分。

 

 

旅立ちに向けたワクワクと、

慣れ親しんだ場所から離れる寂しさのようなものの両方が、

私の胸の中にはあった。

 

 

せっかくなので、ザックと、レインジャケットも、

新しい旅立ちに向けて、じゃぶじゃぶとお洗濯。

 

数ヶ月いたマレーシアを発つのは、単なる国の移動というよりも、

「旅立ち」という言葉がしっくりくるように思った。

 

それほど、マレーシアは、私の中で、第二のホームのようになった。

 

 

 

 

 

今日、空港へ行く前に、私はあのレストランに行くつもりだ。

 

そして、本当の本当に、これが彼との、そして彼の作る料理と、あのレストランとの、一旦のお別れになる。

 

 

私は、モハンマドに手紙を書いた。

封筒には、

 

「(私のお父さんでもあり、大好きなレストランのオーナーでもある)世界でいちばんのシェフ、モハンマドへ

 

あなたのグッドなお客さんであり、日本人の娘であるミホより」

 

と書いた。

 

 

 

ここであることを思い出した私。

 

そうだ、航空券印刷しなくちゃ!!

そして、ついでに、オンラインビザが、運よくもう発行されてたりしないか、確認しよう。

 

そうしてスマホを開くと、

 

並んだメールの件名の中に、

「Status regarding e-Visa」

の文字があるの見えた。

 

 

どきっ。

 

 

え、eビザから連絡来てるやん。。。

 

 

えっ、もしかして、もう発行された、、、????

 

 

いやいや、eビザが発行されるまで、正式には48時間かかると聞いていた。

ビザを申し込んだのは、昨日の21時頃。

 

まだ18時間くらいしか経っていない。

 

インドビザ取り忘れとるやん。私、インド入国できないじゃん。。。

 

申請が通った連絡にしては、やっぱり早すぎるよね。

 

 

てことは、、、、???

何か問題あった?

 

 

 

まあとにかくメールを開いてみる。

 

すると、、

 

 

Dear MIHO UCHIDA,

Thank you for applying for e-Visa for visiting India.
We appreciate your interest in visiting India.Your Application has been successfully received with the following details.

 

 

これを見た瞬間、もう、心の中でがっつポーズしたよね。

 

てか、48時間って言ってたのに、

18時間でビザ発行されるんか!!!

 

超ラッキー!!

 

添付されたビザのPDFを開いて、航空券と一緒にホステルで印刷してもらった。

 

 

これで、無事、インドに行けるわけだ!!

 

 

 

 

やることを終えると、

私は、ムハンマドのレストランに、書いた手紙を持って行く。

 

「Hi! Hello!!これ、君に。手紙書いたから」

 

と言って彼に手紙を手渡すと、彼はいつものムスッとした感じの無表情で、黙ってそれを受け取った。

 

うんともすんとも言わない彼に、

 

「それ、手紙だよ!!」

 

と笑いながら言うと、

「わかってるわかってる、今料理で手が油だらけだから後で読む」

と、またそのムスッとした感じの表情で言うのだった。

 

これが彼だ。

 

決して怒っているわけではない。

でも、むやみやたらに、笑顔を振りまいたりしないのが彼。

 

日本で言ったら、昭和の頑固親父的な感じかもしれない。

 

私はそんな彼が、大好きだ。

 

 

「買い物して、また戻ってくるね。その時、ご飯食べさせて」

 

と言って、一度スーパーに向かった私。

 

 

私は今日からインドに行く。

そしてその次はトルコ。

その後は、中東かヨーロッパだ。

 

インドでは、きっと言い値で買い物するスタイルだろう。

ヨーロッパも中東も、物価は高い。

 

そう思った私は、マレーシアで、歯磨き粉や洗剤などの日用品を買っておこうと思ったのだ。

 

 

スーパーに向かう道の途中で、私は、ここでの数々の思い出を思いだしていた。

 

 

バッセムや、他のみんながよくタバコを買いに来ていた商店。

 

 

ムーンや他の友達たちと一緒に出かける時、何度も渡った交差点。

 

サイードと、夜中二人で語り合ったスターバックスの屋外席、

 

バダールがみんなにアイスを奢ってくれたマック。

 

 

何でもないただの道が、私にとっては、たくさん思い出の詰まった場所だ。

 

よく通ったスーパーで、日用品を揃え、私はムハンマドのレストランに戻った。

 

 

すると、テーブルに用意されていたのは、これだった。

 

 

私は、びっくりした。

 

彼の作る料理は全部好きだけど、中でも特に私の大好きなメニューざんまいだった。

 

グリーンサラダに、マッシュポテト、大好きなオムレツに、ジャガイモをトマトと炒めたもの。

 

私のお気に入りのメニューを知っていて、今日はこのメニューにしてくれたのだろう。

 

そして、チョコレートまで。

 

 

これだけで大満足なのに、

ムハンマドは、

「さて、チキンが焼けた」

 

と言って、チキンまで出してくれた。

 

実は、ここで食べるチキンには、私にとってはちょっとした意味がある。

 

実はチキンはね、今まで一度も食べたことなかったの。

 

と言うのも、たった5RMでご飯を食べさせてもらっている私。

チキンがなくても、もともときっと、原価ギリギリか原価オーバーの破格の値段だ。

 

それにチキンなんてプラスしたら、彼が赤字になってしまう。

 

 

だから、私たちの中で、チキンは、ただのチキンではなく、ちょっとした、意味があるの。

 

なんて言うか、豪華なごちそうの印かな!

 

 

私の旅立ちを祝い、彼は、私がここで食べる最後のご飯に、チキンを乗せてくれたのだ。

 

 

普段、ムスッとした表情の彼だけど、心の中は、こんなにも温かいのだ。

私は、そんな彼のことが大好きだった。

 

 

私は、彼のその気持ちを、噛み締めながら食べた。

 

 

この日のチキンは、ここで食べた、最初で最後のチキンだった。

 

 

 

 

 

最後にここで食べるご飯は、ご馳走させてくれって、ずっと言っていたムハンマド。

私は、この日、そのお気持ちに甘えて、彼にご馳走になった。

 

 

さて、干していたカバンをとって、荷物をまとめて、出発するとするか!!

 

ばいばいみんな!また地球のどこかでね!

 

私は、重たい荷物とギターを持って、

何度も友達たちを見送った、空港までのバスが発着するバスターミナルへ向かった。

 

バッセムもサイードも、バダールも、リアも、ムーンも、

私の仲の良い友達たちは、みんな先にここを去ってしまった。

 

私が、最後の一人だった。

 

 

 

ホステルって、本当に多くの出会いがある。

 

でも、その代わりに、それと同じ数だけ別れがある。

 

 

出会いと別れの場所。

 

出会って、仲良くなって、語り合って、一緒に出かけて思い出を作って、そしてまたみんな別々の場所へと去っていく。

そしてまた、様々に出会いと別れを繰り返していくのだろう。

 

 

きっと、私は、これから先に待っている、彼らの素敵な毎日の出来事に、これからどんどん埋もれていく。

 

ここでの思い出は、新しい出来事や思い出の下に埋もれ、古くなり、上塗りされていくかもしれない。

 

 

でも、ここでの出会いが、思い出が、過ごした時間が、それぞれの人生に、少なくとも影響を与えたことは確かだ。

 

私もそう。

みんなもそう。

 

 

忘れてしまってもいい。

 

いつかふとした瞬間に、また思い出す程度でいい。

思い出さなくたっていい。

 

私たちの人生は、一瞬でも、交じり合ったことは、確かなのだから。

 

 

私の人生は、彼らに出会ったことによって、ほんのすこし、または大きく、変わったのだろう。

 

誰も気がつかないうちに。

私も気がつかないうちに。

 

 

 

ホステルは、

 

旅人の集まる場所。

人の人生が交錯する場所。

 

 

だから私は、ホステルに滞在するのが好きなんだ。

 

 

バスに乗り込んで、さあ、空港へと出発だ。

 

 

空港へ向かうバスの窓からの景色を、私はよーく目に焼き付けた。

 

 

 

空港の窓からの景色に、私はなぜか郷愁を感じた笑。

出国することに、謎に胸を締め付けられる思いだった。

 

トータル5ヶ月ほど、マレーシアにいたのだから、それもそうかもしれない。

  

 

 

 

マレーシアは、マレーシアという国自体より、むしろここでの最高な出会い達が、ここを私にとって特別な国にしてくれた気がする。

 

ここで出会った全ての人達へ。

大好きそしてありがとうう。

 

そして、私は、そんなマレーシアで決めたことがある。

 

今は、自分の人生を思い切りやりきることに精一杯だけど、もう少し余裕ができたら、今まで優しくしてくれた人への恩返し、そして今まで受けた優しさを下の世代とか社会に返すことがしたい。

 

 

 

さてと、行くか!

インド!

 

 

私は、ゲートをくぐり、颯爽とインドへと向かう飛行機の中へ入っていった。

 

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この記事を書いた人

旅するシンガーソングライター

1994年生まれ/埼玉県出身。 高校生の頃から、ラジオやライブハウスに出演し、シンガーソングライターとして活動。 ​早稲田大学を卒業後、一年のギャップイヤーを経て、2018年4月に広告会社に入社するも、世界一周を決行するべく退職。 現在は、ギター弾き語りで旅費を稼ぎながら、世界一周中!エベレスト等ヒマラヤを二度登山したりと「やらない後悔よりやった後悔」がモットーの旅人。 もっと見る

  uchidamiho2929@gmail.com

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