カンボジア人家族のやさしさ
さて、恐怖のオールドマーケットを後にすると、急に死ぬほどお腹が空いていることに気がつく。
この空腹に気がつかないとは、よっぽどの恐怖と緊張だったのかもしれない。笑
(前回の記事:恐怖の(?)カンボジア)
もう、お昼の時間もだいぶ過ぎていた。
私は、ホステルまでの帰り道の途中にあった、カンボジア料理のローカルレストランに入ってみる。
そこで、「アモック」と言う、カンボジア料理を注文した。
アモックは、甘いカレー味の玉子とじみたいな料理。
これがめっちゃくちゃ美味しいの。
東南アジアに行ったことがある人はわかるかもだけど、東南アジアで辛くない料理って結構珍しいんだよね。
でも、カンボジア料理は、辛くない料理が多い。
そんなカンボジア料理は、辛いもの天国のタイから来た私にとっては、とっても落ち着く味だった。
ついでにパッションフルーツスムージーも注文。
暑い日差しの中、歩き疲れて乾いた喉に、最高だった。
私は一旦ホテルに帰って休憩をした後、夕食の時間に、また今朝と同じローカルレストランに向かった。
注文したのは豆腐と野菜の炒め物。
甘辛い醤油のような味付けは、
日本食が恋しくてしょうがなかった、この時の私に沁みることなんの。
私は、このレストランが大好きになった。
相変わらず、あのアイスティも運ばれてきた。
けれどもう、アイスティに恐怖することはなかった笑。
「今朝は疑ってごめんね」と言うことだけを、ただただ心の中で思った。
ご飯を食べていると、私は、すぐ隣のテーブルに、今朝の笑顔のかわいいおばちゃんが、4、5人と一緒に座っているのに気がついた。
私は、「あなたたちは皆んなご家族?」
と聞いてみる。
すると、その笑顔のかわいいおばちゃんは、ここのシェフの妹さんらしいのだ。
シェフのおばちゃんと旦那さんが、二人でこのお店を経営し、笑顔のかわいいおばちゃんは、お店のお手伝いに来ているらしい。
私が
「ここのご飯がとっても美味しい!日本が恋しくなった」
ということを、シェフの女性に伝えると、彼女はとっても嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
そして次に私は、気になっていたあの質問をしてみた。
「ねえねえ、あのフルーツの盛り合わせって、もしかして無料なの?」
なんてどストレートな質問だろう笑
もしかしたら、ぶしつけに思われたかもしれない。
けど、こういう時はストレートに聞くのが私の流儀。
変に遠回しに聞いたりするのは嫌いだ。
なぜなら、私は、そういうのが上手くないので、そういうことをすると必ず後で、お互い後味の悪い感じになってしまう事を、経験上知っているからw
だから、どストレートに聞くのが、私の出来る最良の方法なのだ笑
すると、彼らは、嫌な顔をするどころか、笑顔でこう語ってくれた。
「もちろん!僕たちは、どのお客さんにも、スイカやバナナの盛り合わせを、サービスで出しているんだ。アイスティもそうだ。これは、僕たちの気持ちなんだ。私達はいつでも自分たちの出来るベストのおもてなしを尽くしたい。なぜなら、お客さんが幸せになってくれる事が私たちの一番の幸せだから」
「優しさや、おもてなしの心は、世界のどこにでもあるものだなあ。」
と今更ながらこの時思った。
なんとなく、海外に行くと、詐欺やぼったくりに合わないように気をつけようと思う心が働き、優しいことをされると、人を疑ってしまう時がある。
もちろん自分を守ることは大切だし、容易に誰でも信じすぎてはいけないことは確かだ。
だが、私は、彼らの素直な優しさを疑ってしまったことを、少し恥じた。
昨日紹介した紅茶とフルーツを無料で振る舞うローカル食堂。これ、海外だとかなり珍しいことじゃないかなと思います。運営のしてるご家族に話を聞くと「私達はいつでもベストを尽くしたい。お客さんが幸せになってくれる事が一番の幸せ」と笑顔で語ってくれた。優しさ、おもてなしの心は世界共通言語。 pic.twitter.com/DQB1ftuqGx
— 内田美穂 / ギター弾き語り世界一周 (@bleatand) March 31, 2019
そして、彼女たちは、こんなことを聞いてきた。
「今朝、私の妹がフルーツを出した時、慌てて断ったでしょう?」
その顔は、ニヤニヤと楽しそうに笑っていた。
「あの後ね、妹がキッチンに戻ってきてこう言ったの。『あの女の子、フルーツが好きじゃないみたい。でもね、フルーツが好きじゃない人なんているわけないわよね。きっと彼女、ダイエット中なんだわ』って。それ聞いて、おかしくて、私、笑っちゃったのよ。」
さすがは家族経営だ。
「フルーツを頑なに断る女性の話」は、たった一日でレストランのスタッフ中に広まっていたのだ。
そう話す彼女に、私は笑いながら、昨日の悪質トゥクトゥクドライバーの話をした。
「昨日の今日だったから、疑っちゃって。freeって言葉を聞いた瞬間に、これはまた、無料って言いながら後でお金を請求するパターンかもって思ったの。ごめんね。」
と謝った。
レストランは、そこでみんなの笑い声に包まれた。
するとオーナーのご主人が、
「大丈夫。僕らのお店では、安心して過ごしていいよ。僕らはいつでもどんな時でも、お客さんを大歓迎だ。みんなが笑顔になってくれることが、一番の幸せなんだよ。またいつでもおいで。パソコンでも持ってきて、ここで1日作業をしたっていいよ。アットホームにくつろいでね。」
と言ってくれた。
私は、おばちゃんが出してくれた、スイカとバナナの盛り合わせを、もぐもぐと頬張った。
2019/3/30
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