カンボジアで初の路上ライブは、、、?
一旦ホステルに戻った後、私は、カンボジアの旅行計画の続きをした。
パソコンを開き、ブログをチェックすると、こんなコメントが届いていた。
私は、これを読んだ瞬間、心臓がばくばくした。
あまりに嬉しかったからだ。
胸がいっぱいになったのはこちらの方だ。
もし、この方が私のブログをまだ読んでくれているとしたら、この場を借りてお礼が言いたい。
「素敵なコメント、ありがとうございます。」と。
誰かに、「自分も夢に向かって頑張ろう」と思ってもらえること。
これこそが、私が今の世界一周で伝えたいことだ。
旅を通して、路上ライブを通して、ブログを通して、私の背中を通して、誰かの人生に、少しでもプラスの影響を与えることができたら、私は大満足だ。
そんな私にとって、このコメントは、とってもモチベーションになった。
このコメントをくれた誰かさん、
ありがとうございます!
さて、カンボジアでの計画を立て終わると、私はパソコンをとじた。
それからまた、私は夕食のために、相変わらずあのレストランに向かった。
このレストランに毎日来る理由の1つは、あまりに美味しすぎること!もう一つはホステルの隣にあるので、とっても楽なこと。
それから、中心地にある外国人観光客向けのレストランに比べて、安価な値段でお腹いっぱいになれること、
そして何より、あのご家族がとっても好きだから!
今日は、トマトの肉詰めを注文。
甘辛い醤油のような味が特徴で、相変わらず、日本食を思わせる。
あああ。本当に美味しい。
濃い味のアイスティを私が飲み干してしまうと、店主の旦那さんは、何度も何度も
「Are you happy?」と私に聞きながら、注ぎ足してくれた。
東南アジアのアイスティって、割とどこの国でもすっごく濃く煮出してるのが特徴。
マレーシアも、タイも、カンボジアもシンガポールもそうだ。
でも、それぞれの国で、違った味がするの。
その違いを楽しむのも、大好き。
そしてやっぱり最後には、フルーツの盛り合わせを出してくれた。
私は夕食を終えると、近くにあるコンビニ?のような商店へと行き、チョコチップクッキーを買った。
このレストランのご家族にとてもよくしてもらったお礼に、何かお返しがしたいと思ったからだ。
明日早朝プノンペンに向かう予定なので、これがこのレストランに来るのも最後になるだろう。
私がクッキーを持って行くと、5歳ほどの娘さんはとっても喜んでくれた。
私は、店主の旦那さん、シェフの奧さんに、お礼とお別れを言った。
さて、ホステルに帰り、出かける準備をしたら、ギターを持って出発だ。
私は、夜のシェムリアップの街へと繰り出し、この町で一番栄えているパブストリートへと向かって歩き出した。
パブストリートに着くと、私はとりあえず、うろうろ歩き回って、歌えそうな場所を探す。
ここでも、トゥクトゥクのドライバーたちは、しつこいほどの勧誘をしてきた。
どこに行くんだ?
送ってくぞ、
ホテルの名前は?
と頼んでもいないのに、早足の私のあとを追ってきながら、背中に話しかけてくる。
ノー。
と言うと、チッと舌打ちされることもしばしば。
これはタイにいた時にはなかったことだ。
「コンニチワ!I’m Nagatomo!」
と言いながら言いながら話しかけてきた陽気なトゥクトゥクのお兄さんだけは、笑顔で、本当にサッカー選手の長友そっくりな顔をしていた。
さて、私は、どこで路上ライブをしようかと場所探しをしながら、パブストリートを20分程度歩き回った。
その町で最初の路上は、いつだってドキドキする。
私は、やっと、「ここなら歌っていいかな。」って場所を見つけてギターバッグを置いた。
が、なかなかギターを取り出して、そいつをかき鳴らせずにいた。
尻込みだ。
こう言う時、まず、思うことは、
警察に怒られたら嫌だなあ。
と言うこと。
そしてここカンボジアでもう1つ感じていたことは、日本よりもずっと貧しい国でバスキングをすると言うことに対する抵抗感だった。
あたりを見回すと、パブストリートの入り口とも言える場所に、警察がたむろしているのを発見!
思い切って、ここで歌っていいか聞いてみよう。
が、彼らは、ピストルを持った、いかにも強そうなガタイのいい警察官たち。
数分、勇気を出すまでためらい、いざ意を決して
”Hey, excuse me? I wanna play guitar here and wanna do busking. Is that OK?”
と聞いてみる。
すると帰ってきた答えは、、、
親指を立ててオッケーグッドのポーズをしながらの笑顔で「OK」サインだった!
彼らに話しかけるのは、ちょっと勇気が必要だったけど、やっぱり聞いてよかった。
なんだかその表情に、
「地元の人は私が思ってる以上に寛容なのかもしれない」
と思い始める。
これで不安要素が1つ解決だ。
タイのバンコクの時もそうだったけど、私は、大抵路上をする時は、
警察に「ここでやっていい?」って聞いてからやることにしている。
そして私は、ギターを置いた場所のすぐ後ろにあるお店のスタッフに、「ここで歌っていい?」と聞いた。
そうしてお店の人にもオッケーをもらえると、俄然やる気が出てくる。
私は最後に、物乞いをしている人たちの近くにいないか確認をした。
私が彼らの近くで路上ライブをすることで、彼らの邪魔になったら嫌だなあと、一応ばかりだけれど、思うから。
せめて、彼らと離れた場所でバスキングをするくらいのことは、最低限気をつけたい。
さて、その全部がクリアできたことを確認すると、私は、深呼吸をして、恐る恐る歌い始めた。
すると、数分で、チップを入れてくれたり、「日本から来たの?気をつけてね」「どこの国を回ったの?」「次はどこに行くの?」「頑張ってね」などと話しかけてくれる人たちが現れた。
中国、ベトナム、日本、オランダ、私が歌の合間におしゃべりできた人たちだけでも、国籍も性別も年齢も、みんなバラバラだった。
国籍だとか年齢とか性別を超えて、何かを追いかけている人に対して「頑張れ」と言う気持ちを持つ人たちが、世界中にたくさんいることが、嬉しかった。
世界って、なんていいとこなんだあ〜って、大げさかもしれないけど、でも本当に思った。
更に、チップを入れてくれた人の中には、中にはカンボジア人の男性までいた。
私は、普段、地元の人よりも、観光客などからチップをいただくことが多い。
そして、それまで途上国で歌って、彼らからお金をもらうことに、ちょっとした抵抗感があったのだけど、彼がチップを入れてくれた瞬間から、少しその意識が変わった。
私はそれから、堂々と歌えるようになった気がした。
私の歌っている近くのお店の呼び込みのカンボジア人のおじさんたちは、みんなニコニコしながら私の歌を聞いてくれていた。
それだけでなく、手拍子をしたり、盛り上げようとしてくれたりしていた。
私は日本で路上ライブをやったことがないからわからないけれど、日本ではこう言う光景って珍しいんじゃないかと思う。
お店の人、地元の人が、応援してくれるって、なかなかないかもしれない。
それから、足を止めてくれた人たちの中でも、ひとりの欧米系の女の子が、ずーっとこっちをニコニコ微笑みながら見て立ち止まっててくれていたのが印象的だった。
子供って、真顔でじーっと見てくることが多いのだけど、彼女はずーっと満面の笑みを向けてくれていて。
「頑張ってね!応援してるよ!素敵だね!」って、一生懸命表情で伝えようとしてくれてるみたいに思えたのだ。
それから彼女は、お母さんを連れてきたかと思うと、お母さんに「ね、すごいでしょ」と言うように指差しながら聞いてくれた。
子供ながらに、誰かのために応援しようって気持ちが伝わってきて、きっと愛情深い子に育つだろうなーと思った。
私も、「伝わってるよ」って返したくて、思いっきり微笑んだら、それを見ていたのか、たくさんの人が寄ってきて、たくさん立ち止まってくれた。
笑顔は人を惹きつけるのだなあと思ったのだった。
さて、しばらく歌ってから、ギター片して撤退すると、私は、明日のプノンペン行きのバスチケットを探しに、街を歩いた。
小さな駄菓子屋程の大きさの旅行会社を見つけると、私はそこで、チケットを買った。
明日の7時半発、プノンペン行きのチケットは、なんと、たったの6ドルだった。
シェムリアップからプノンペンまでの距離は、318㎞。
だいたいだけど、東京名古屋間くらいの距離だ。
その距離をたったの6ドルで行けるとは。
さて、何時間かかる長旅になることやら。
2019/4/1
前の記事:私を知る日本人に、シェムリアップで出会うという奇跡
読んでくれてありがとうございます!よかったら
ポチッと↓ヽ(*^ω^*)ノ