おもてなしとは。 - 旅するシンガーソングライター|内田美穂旅するシンガーソングライター|内田美穂
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おもてなしとは。

台北101の駅を出ると、頭上には、紫色をしたタワーが、雲の上まで伸びていた。

 

上を向くと、雨粒が顔に当たる。

路上ライブをするのには、最悪な天気だ。

 

一瞬ひるんだけれど、やるしかない。

 

私は、台北101周辺の、西門のギラギラとははまた違い、宝石のように煌めく街を歩き出した。

 

そこから歩いて15分ほどの場所にある、大型のショッピングモールへ向かう。

 

“夜にはここで路上ライブをしている人がいる”という情報を、台湾人の友人から得たためだ。

 

が、やっとの思いでそこへ着くと、そこは路上ライブに向いていそうな雰囲気ではなかった。

 

というのも、雨が降っているせいか、吹き抜けの中庭には人がまったくいなかったからだ。

 

 

私は、一旦、ここで路上ライブをすることは諦めて、ひとまず夕食をとることにした。

 

 

ショッピングモールの外に置かれたクリスマスツリーの前に置かれたガンダムの前には、なぜか人がたくさん集まり、みんな一生懸命に写真を撮っていた。

 

ほんと、台湾の人って日本のカルチャーが好き。

それと、クリスマスを過ぎても「メリークリスマス」の文字をあちこちで見られるんだよね。

 

日本なら、速攻片付けられるだろうに。

海外に行くと、日本ってほんと細かいことを気にするなーって気づく。

 

 

そういえばシェリーも言っていた。

 

日本人は細かいことをとても気にし過ぎるよね。

そして、周りに合わせたがる。

 

それが台湾人からの日本人のイメージだと。

 

 

例えば、“電車の中で化粧をしていると、おかしい”という価値観も、台湾人にとってはちょっと理解し難いんだとか。

 

他にもいろんな面で、日本人は周りに合わせてばかりってイメージがある。大事なのは、周りに合わせることとか、人がどう思うかじゃなくて、自分がどうしたいかだよね。

って、そんな話をしたのを思い出した。

 

 

私も、日本ってとっても窮屈だっていうのはすごく感じる。

特に、海外から帰ってきた直後は、電車の中や、お店、仕事場、どこに行ってもその窮屈感がしばらく拭えない。

 

それは、街ゆく人たちの、みんなしておんなじような格好をした服装からかもしれないし、電車で下を向いて携帯をいじり、暗い顔をしている人たちの表情から感じるのかもしれない。

 

あるいは、ロボットのようにみんなが口を揃えてマニュアル通りのことを言う、お店の店員を見てなのかもしれない。

 

私は、時々、彼らを見ていると一言一句違えてはならず、お辞儀の角度まで同じように揃えているのは、おかしいと感じる時がある。

それって、本当のおもてなしなんだろうか。

どうしても、「ありがとうございます」などの言葉も、”マニュアルがそうさせているから言っている”というように感じてしまう。

確かに心を込めて言っているかもしれない。けれど、私がアルバイトをしていた時には、お客と無駄話をせず、一言一句決められた文言を、決められたタイミングで言うようにトレーニングさせられた。

 

ネパールに行った時に感じたことは、お店の店員は、私を覚えてくれ、毎回のように、「今日の調子はどうだ?」「チョコレート買うんかい。日本でもよく食べるの?」「今日はビールか、飲み過ぎには注意しなよ」と、私を気にかけ、私だけのために、私に向かって言葉をかけてくれていた。

 

ハキハキとした、ありがとうございます!の言葉も、丁寧なお辞儀もないかもしれない。おつりの渡し方も、きれいではないかもしれない。

 

けれど本当のおもてなしとは、そういうことではないだろうか。

もちろん、全てではないけれど、海外と比べると、日本のおもてなしは、誰に対しても均一な、ロボットのように思えてしまうことが時々ある。

 

もちろん、とっても親切な対応をしてくれる店員さんもたくさんいるけれど!

 

 

 

 

 

とりあえず、ショッピングモールの中に入り、二階にあるフードコートへ行くと、あちこちに”日本”を感じられる場所がある。これだけ本当に近い形の日本を見られるのは、海外では台湾くらいだろう。

 

 

その中で、中華料理のお店を選び、辛そうな汁なし麺を注文する。

 

 

見た目以上に辛くて、耐えきれずにヨーグルトドリンクも注文してしまった。

     

 

夕食を終えると、私は荷物を持って、再び外へと向かった。

歌う場所を探すためだ。

 

ショッピンングモールを出ると、雨は余計にひどくなっていた。

 

夕食を食べている間に、雨止まないかな〜なんて考えていたのだけれど。

 

私は、人が集まりそうな駅へと、とりあえず向かう。

 

台北101の前まで来ると、私は、垣根の前に荷物を降ろし、ギターを広げた。

人通りはそんなに多くないけれど、その分誰かに注意される心配も少なそう。

 

とその瞬間、

さっきからチラチラとこちらを見ていた男性が、私に声をかけてきた。

 

注意されるかも。

 

と思って、とっさに肩が縮こまる。

 

かと思えば、

あっち、あっち!と駅の方を必死で指差し始める彼。

 

私は、最初、「ここで歌ってはいけないよ」

 

と言われているのかと思ったのだが、どうやらそうではないらしい。

 

日本語も英語もわからない彼と、コミュニケーションがうまく取れず、二人で困惑していると、

「下雨(シャーウー)」

という言葉が彼の口から聞こえた。

 

ここは雨が降っているから、濡れない駅の中をさしてくれてるんだ!

 

そう気づくと、彼は、「こっちに着いてこい」の合図をし、駅まで私を連れて行く。

そして、駅構内に入ると、

「ここで歌った方がいい」

 

と笑顔で教えてくれた。

 

私は、言われた通りに、駅の中でギターを広げた。

 

 

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この記事を書いた人

旅するシンガーソングライター

1994年生まれ/埼玉県出身。 高校生の頃から、ラジオやライブハウスに出演し、シンガーソングライターとして活動。 ​早稲田大学を卒業後、一年のギャップイヤーを経て、2018年4月に広告会社に入社するも、世界一周を決行するべく退職。 現在は、ギター弾き語りで旅費を稼ぎながら、世界一周中!エベレスト等ヒマラヤを二度登山したりと「やらない後悔よりやった後悔」がモットーの旅人。 もっと見る

  uchidamiho2929@gmail.com

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