台湾、またね!
通りすがりのおじさんに言われるままに、台北101駅の構内で歌い始めた私。
ここは台湾で一番高いタワー、台北101のすぐ下に当たる。
こんな場所で歌っていいものかと不安もあったのだが、実はこの場所が大正解だった。
歌い始めると、みるみるうちにチップを入れてくれる人たちが現れたからだ。
電車が到着し、人の波があっと押し寄せ、私の前を通り過ぎていく度に、多くの人が声をかけてくれ、立ち止まり、チップを入れてくれたり、ビデオを撮ってくれたりした。
観光の定番スポットなだけあり、日本人の姿も多く見られ「頑張ってくださーい!」とガッツポーズをしてくれたりした。
ここでも、相変わらず、台湾の人たちの日本好きは伝わってくる。
時々、「日本人ですか?この歌歌ってください!」と日本の歌をリクエストされたりした。
しばらくそこで歌っていると、見覚えのある顔が現れた。
シェリーが暖かいミルクティーを持って、会いに来てくれたのだ。
私たちは、それから台北101の中に入り、フードコートの席に着いた。
中に入って気づいたのだけれど、実はここ、2年前にシェリーに会いに台湾に来た時に、一緒にお昼を食べたことのある場所だった。
たまたまたどり着いた場所が、前も一緒にお昼を食べた場所だなんて、すごいねって、そんな風に話し合った。
その後、シェリーは、私を、「友達なんだから、当たり前だよ!」と、空港につながるスカイトレインの乗り継ぎ駅まで、送ってくれた。
これでまた、少なくとも一年以上はお別れだ。
連絡を取り合おうねと約束し、ハグをして、私はスカイトレインの改札をくぐった。
空港に着くと、多くの旅行客と同じように、適当な場所に腰を下ろす。
ベンチはすでにいっぱいだったので、私の今日の寝床は、この壁の前になった。
床がかたいせいで、何度もお尻が痛くなったけれど、寄りかかれるだけマシだ。
結局、一睡もせず、ずっと起きていたので、二日間、シャワーもきちんとした睡眠もなしになった。
トイレでコンタクトを外し、メガネをかけようとカバンの中を探すと、私は、メガネをなくしてしまったことに気がつく。
お母さんが、旅の餞別として買ってくれたお気に入りのメガネだったので、萎え萎えの萎え。
まあそんな嘆いたことも言っていられない。
私は今から、次の新しい世界、マレーシアに向かうのだから。
読んでくれてありがとうございます!よかったら
前の記事:おもてなしとは。