行くぜインド!! – 旅するシンガーソングライター|内田美穂
旅するシンガーソングライター

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行くぜインド!!

「No. Don’t take it off.

You promised me you’d never take it off」

 

(外すな。一生外さないって、約束したじゃないか。)

 

フレディーマーキュリーは、指輪を薬指から外そうとするメアリーの背中に向かって言った。

 

窓辺に立って、外を真っ直ぐ見つめる彼女の目からは、

涙が溢れ、頬を伝う。

 

「What do you want from me」

 

「Almost everything. I want you in my life」

 

「why?」

 

「we beleave in each other. that’s everything」

***

 

ブチっ!!!

 

とそこで、

 

 

「Ladies and gentleman,  we are begging our final descent….(皆様、当機は間も無く、、、)」

のアナウンスが入る。

 

 

 

 

おいおいおいおい!!!!!

 

今まじで良いとこだったのに〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

そう、飛行機の中で、ボヘミアンラプソディーを見ていた私。

 

フレディとメアリーの、二人の悲しいお別れのシーンで、

涙が出そうになりながら映画の世界に入っていたのに、、、、、!!!!!!

 

 

 

 

ちなみに、ボヘミアンラプソディは、

マレーシアで一回、字幕なしで見たのよ。

(正確には中国語とマレー語の字幕が付いてたけど、私には全く役に立たず)

 

まあつまり、その時英語で見たんだけど、70パーセントくらいしか台詞わからんくてさ。

 

 

でもあれから半年経った今、

また字幕なしでボヘミアンラプソディーを見ていたのだけど、

 

 

「やべえ英語めちゃめちゃ聞き取れるようになってるやん!!!!!」

 

と、映画の内容よりも、自分の英語力のアップに興奮してしまった笑

 

 

 

そうして、夜11時半頃、無事コルカタ空港に到着した私は、早速トランスファー(乗り継ぎゲート)を探す。

 

目的地はバラナシなのだけど、

トランジットで、翌日の朝8時まで、ここコルカタ空港で過ごすこととなる。

 

だが、どうやらコルカタ空港では、トランスファーの前に、一度入国審査を済ませ、もう一度チェックインをし直さなくてはいけないらしかった。

 

 

でも、待てよ、、、、

 

てことは、、、、

 

私がインドへ入国空港は、バラナシではなく、コルカタということになる。

 

 

ということはだよ、、、、

 

 

私のとった、インドのビザ、申請間違えてることになるやん!!!!

 

 

 

そう、私は、オンラインビザを申請したのだが、入国の空港を、コルカタではなくバラナシとしたのだった。

 

いや、、、

 

待てよ、

 

てかそもそも、私、インドへの入国日も29日になってるんだよね、、、

 

でも今日は26日。

 

一体これで、入国させてもらえるんだろうか。

 

もし、これで入国させてもらえないと来たら、私はきっと、日本へ送り返されることになる。

 

その時は、この世界一周の終わりだ。

 

2ヶ月もマレーシアでギターを待って、

やっとインドへ来たところだというのに、

ここで日本へ返されでもしたら、、、、

 

 

いやいやいやいや、想像もしたくない。

 

 

とりあえず私は、

ずらりと並んだ入国審査ブースの中で、一番優しそうな入国審査官の座っている列を選び、恐る恐るそこに並んだ。

 

 

 

そしてそこでは、全く怪しいそぶりなど見せないように、平然とした表情を作ることに集中した。

 

 

が、よくよく考えたら、別に悪いことをしている訳でもないのに、なんでこんなに犯罪者みたいな思いをしなきゃいけない訳w

 

 

そうしてようやく私の番が来て、パスポートとビザと航空券、入国審査カードを彼に提出する。

 

 

彼は無言のまま、私のパスポートをジロジロみた。

 

その後、その視線は、問題のビザへと移される。

 

お願い、何も引っかからないで、、、、

 

と心の中で祈った。

 

 

すると、、、、

 

 

「君、入国の空港バラナシにしてあるよね」

 

 

案の定その質問が来た。

 

 

私は、

 

「トランジットの空港で入国すると知らずに。。

目的地はバラナシなんです。

ここ、コルカタは、乗り継ぎで寄っただけで、空港の外に出るつもりもないんです。」

 

と言う。

 

 

「そうか。でも、入国の日が29日になってるね。これで通していいのか一応聞いてくるから、ここで待っていて。」

 

 

すると彼はブースから離れ、事務所のような場所へと去っていった。

 

 

1分、2分、3分が経過する。

 

 

私はその間、

「どうか通れますように」

 

と祈る気持ちで待った。

 

その数分間が、どれ程長く感じたことか。

 

 

やっと彼が戻ってくるのが見える。

 

 

私はそんな彼の口元を、

「彼はイエスと言うのだろうか、ノーと言うのだろうか」

と、ジロジロと目で追いかけた。

 

 

そうして彼の口元を目で追っていると、

その口元は、開くことなく、、、

 

 

 

 

 

口角をキュッとあげて、一瞬笑顔を見せたかと思うと、

彼は何も言わずに手で、

 

通ってどうぞ

 

の合図をした。

 

 

私はホッと胸をなでおろした。

 

 

 

 

さて、荷物をピックアップし、空港のロビーへと向かうと、その綺麗さにびっくりした。

 

綺麗といっても、まあ、「ごく普通」の空港なのだが私がここで綺麗さにびっくりしたのは、

 

 

インドって、

「汚い!!!」

のイメージがまずあったから!笑

 

 

空港も汚いのかと勝手に思ってしまったのだが、

そこは流石に空港。

 

先進国と同じように、綺麗な空港だった。

 

 

 

さて、私は適当にベンチを見つけると、

全ての荷物に鍵をかけ、それをワイヤーロックでベンチに括りつけ、

目覚ましをかけて眠りについた。

 

といっても、手すりのないタイプで横になれるベンチは、見事に全部埋まっており、

手すりがついたタイプのベンチしか空いていなかったため、

到底深く眠りにつくことなんてできなかったのだが笑

 

 

朝になり、チェックインを済ませ、

私は、バラナシ行きの飛行機に乗り込んだ。

 

 

 

 

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この記事を書いた人

旅するシンガーソングライター

1994年生まれ/埼玉県出身。 高校生の頃から、ラジオやライブハウスに出演し、シンガーソングライターとして活動。 ​早稲田大学を卒業後、一年のギャップイヤーを経て、2018年4月に広告会社に入社するも、世界一周を決行するべく退職。 現在は、ギター弾き語りで旅費を稼ぎながら、世界一周中!エベレスト等ヒマラヤを二度登山したりと「やらない後悔よりやった後悔」がモットーの旅人。 もっと見る

  uchidamiho2929@gmail.com

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