月曜日は、サイードの日?
今日もメニューのないレストランへ行く。
私は、
「これから毎日食べにくる!」
と約束した日から、約束通り毎日彼の料理を食べに来た。
とはいえ、実際は、
約束したから来ているのではなく、
美味しいから食べに来ているだけなんだけどね。
私がレストランに行くと、彼は、ちょうど、料理の下準備をしている最中だった。
ポテトとチーズ、ナスやトマト、クリームを入れて焼いた、私の大好きなメニューは、もう出来上がっていた。
少し待つと、彼はそれらをお皿に乗せて持ってきてくれる。
そして、今そこで焼いたばかりの、焼きたてのパンも出してくれた。
さて、今日は月曜日、新しい週の始まりだ!!
、、、、
と言っても、私に曜日感覚なんてない。
そもそも旅人に曜日感覚なんてないし、
今のこの、毎日ブログと路上ライブを繰り返すだけの日々に、曜日感覚なんてあるわけなかった。
でもこれってある意味超最高なことだと思う。
曜日を気にしなくていいのは、毎日好きなだけ自分で予定を組めるというほど自由だからだ。
そもそも、予定なんて組まなくていたのだ。
社会人をしていた時には、ありえなかった。
好きな時に好きなように働いて、好きなように旅をする自由。
だけど、そんな私に、曜日と言うものを教えてくれるものが、最近1つだけある。
サイードだ。
彼はなぜか毎週月曜日になると、電車で1時間かけて、私のところに会いに来るのだった。
私が、メニューのないレストランでご飯を食べていると、電話が鳴った。
相手はそんなサイードだった。
「もしもし?何?」
「もうついたよ!いつもの場所にいる!あのお気に入りの場所ね」
「早すぎない?14時って言ったじゃん!」
そう、彼からの電話が鳴ったのは、13時半。
もはや時間間違えたのかと思ったわ。
彼は、10秒で電話を切ると、テキサスバーガーの、いつもの席からの眺めの写真を送ってきた。
つまり彼は今、テキサスバーガーのあの席にいるということ。
私は、急ぎめで、お昼を食べ終え、おじちゃんに
「サイードと会ってくる!!」
と伝えて、外に飛び出した。
「サイードか!よろしく伝えといてくれ。いい加減また店に顔出すようにも言ってくれ!」
「わかった!またね!ごちそうさま!」
そうして、テキサスチキンへ向かうと、窓がしに、サイードが一人、席に座ってスマホをいじっているのを見つけた。
私は彼に気づかれないよう、ガラス張りの壁の向こう側から彼の後ろに立つ。
そして、
トントントン!
とガラスを叩いて、最強の変顔でスタンバイし、彼が振り向くのを待った。
振り向いた彼は、そんな私を見ると、笑っていた。
よし、大成功!
私たちは、席に着くと、すぐに話を始める。
ワイワイ、ガヤガヤ二人でふざけながらも、真面目な話もして、話に花を咲かせた。
彼は、私の心のうちを一瞬のうちでなんでも見抜いてしまう。
少し気になることや、悲しいことがあると、なんでも言い当てられてしまう。
疲れていてもそうだ。
そしてその微妙な心のうちがわかるだけでなく、驚くべきことに、その理由まで、ほとんどの場合見透かされてしまうのだから不思議だ。
彼は私に会うなりこう言った。
「今の君は、楽しんでない。心がガッチガチに固まってる。
なぜか。それはブログのことばっかり考えて、書くことばかり考えているから。
書きたいことがないのに、無理に何かを書くために、絞り出そうとしてる。
それは間違ってる。
何かを見て感動して、学んで、色ーんなことを経験して、心が感じたことがあるから、それを書くんだ。
書くために何かを経験する。まあそれもいい。でも君はそう言うタイプじゃない。
まずは気持ちを大事にしなよ。
ブログのアクセス数とか、お金のことばっか考えてるでしょ。最近。
でも違う。それは君じゃない。だから今の君は、なんだか覇気がないと言うか、いつもの輝きがないように見えるんだ。
そうだ、外に出て街を歩きな。
たったそれだけで、たった数十メートル歩くだけでいろんなものが見える。
だから、僕は、バスに乗って景色を見ながら君と話したり、素敵な景色の場所で話をするのが好きなんだ。
頭がリラックスするからね。目に見えるものって意外と大事なんだよ。」
そんなようなことを、間髪入れさせずに、一呼吸でベラベラと喋った。
それが彼の話し方だ笑
そして見事に、彼の言っていることは当たっていた。
私はびっくりした。
そしてそれから私たちは、他にもいろんなことを話し合った。
私は、彼にこんなことを言った。
「お金のことや、アクセス数を上げること、成功とか、そう言うことだけ考えて、何かをやっていたら、きっと成功できない。
本当の成功は、人に感動を与えたり、誰かを幸せにすることで、自然と生まれるものだと私は思う。
もちろん、お金は大事。
でも、お金は、誰かを幸せにしていたら、人に必要とされることをしていたら、自然と生まれるもの。
私はお金を産むことより、人に感動を与えたり、誰かの人生にプラスの影響を与えたり、旅のきっかけを作ったり、新しい価値観を吹き込んだりしたいんだ!そうだ!そうだったよ」
そしてサイードはこう言った。
「そうだね、いいね!
でもさ、僕らは間違っているかもしれない。
だって、そう考えない人だっているからね。
違う考えの人もいる。
だから、誰かからしたら、僕らは間違っている。
でも僕らは、その考え方をしていて、ハッピーだ。
だから、他の人のことなんて気にするな!
自分の道を進もう!」
やっぱり私はサイードが大好きだ。
彼を友人として持てて、良かった。
ギターをなくしたのは、サイードと出会うためだったのかもしれない。
私たちは、しばらくテキサスチキンで話した後、
場所を変えよう!と言う話になった。
最初に出たアイデアは、ツインタワーの目の前にある、噴水のある芝生の公演だった。
そこは私たちが最初に出かけて場所だ。
私はその提案を受け、
「ねえ、ズボン履き替えてきていい?私めっちゃ蚊に刺されやすいじゃん?この半ズボンでそこに行ったら、一発で死ぬw
あと、のど飴もとってきたい」
そういって、サイードをクーラーの効いたテキサスチキンに置いて、一人ホステルに戻った。
私が、一度ホステルに戻って、またテキサスチキンへやってきたとき、彼はこう言った。
「ミホ、ズボンを長ズボンに履き替えに行ったんじゃなかったの?」
私は、自分のズボンを見た。
私が履いていたのは半ズボンだった。
私はやらかしてしまった。
そう、ズボンを履き替えるのを忘れてしまったのだ。
のど飴だけはしっかり持ってきたのに、ズボンを履き変え忘れたのだ。
またアホしたああああ!!
私って本当にこう言うことばっかやってるの。
気を取りなおして半ズボンのまま外へ出ると、私たちはまず、サイードや、サイードの親友たちのお気に入りのフルーツジュースの屋台に向かった。
なぜ、ここがお気に入りなのか、行ってみてその理由がわかった。
お店の店長は、ミキサーに、丸ごと一本バナナを入れ、マンゴーを約ひとつ入れ、ココナツも大量に入れ、氷と水をと牛乳を少し入れて、ミックスした。
こんなに大量にフルーツを入れてくれるスムージー屋はなかなかない。
と言うか、半年東南アジアにいて初めて見た。
今日もサイードの奢りだ。
「ブログとか、SNSとかに、奢ってもらったなんて書かないで恥ずかしいから」と冗談ぽく言っていたけど、書いちゃう笑
確か値段は、7RMとかそこらだったのだけど、原材料費やお店の維持費だけで、きっと5RMは行っていただろう。
サイードはこんなことを言っていた。
「彼はそんなに儲けを気にしていないように見えるけど、でもこの彼の気前の良さ、彼のサービスの心が、実際僕や僕の親友ババをこの店のファンにさせてるわけでしょ。
そして、僕がまた君と言う新しいお客を連れて、リピートしにきた。
それにもし、君がブログや何かに書いて、それを読んだ人がこの店に来たら?」
サイードはそう言った。
私はそれに大賛成だった。
だから、彼は単純な利益以上のものを実際は手にしていると私は思う。
お金のことばっかり、彼は考えているわけではない。
だからああやって、フルーツをふんだんに使ってジュースを作るわけだ。原価ギリギリの値段でね。
けど、利益ばかり考えているわけではなく、お客さんを本当の意味で喜ばせているからこそ、その時の利益は少なくても、後からもっと利益を生んでいるのだと思う。
ブログを書く時、何かをする時、どんなことをするときでも、私はこれをいつも忘れないように心がけている。
損得勘定だけで何かを選んだり、行動したりすると、結局、回り回って損をすることになると私は思うんだよね。
大事なのは人に喜んでもらうこと。
だって、良し悪しを決めるのは人だし、良いものを見たり聞いたり買いたいって思うものでしょ。
私はそう思う。個人的にはね!
私たちは、そこからまたバスに乗る。
行き先は、サイード次第だ。
目的地は重要ではない。
私たちにとって大切なことは、二人でおしゃべりができると言うこと。
サイードは、私と会うときはいつも私のブサイクな写真を何枚も撮った。
別に私だけに限らず、バダールや、他の人の写真も、サイードはよく不意打ちで撮っている。
ブサイクな、と私がここで言うのは、私がカメラに気づかない間に、サイードは写真を撮りたがるからだ。
カメラに気づいてポーズやキメ顔を決めている写真は、好きではないらしい。
それよりも、人が自然にしているところの写真を、自然に切り取るように撮るのが好きなんだって。
化粧もせず、髪も溶かさず、ほぼ起きたままの状態で、いつもサイードに会っている私は、普段の何割も増してブサイクだ。
そのめちゃくちゃブサイクな私を、ポーズも決めず、自然なままに取ろうとするのだから、当たり前にブサイクな写真が撮れるのである。
いつだったか、確か一番最初に彼と出かけた日に乗ったバスの中でだか、彼は
「嘘は嫌い。嘘をつく人たちと話すなんて時間の無駄だ。心の通った話じゃないなら、話していたって意味がないもん。
もし、友達が嘘をついていると思ったら、僕は、率直に尋ねるよ。
今のは嘘?ってね。
それが本当の友達ってもの。嘘をついても、その時それでちゃんと話してくれればそれでいい。
まあ、僕の友達に、嘘をつくような友達はあんまりいないけどね。人は嘘をつくものだけど、でもやっぱり、僕は嘘をつくなんて、意味のないことだと思うよ。人が嘘をついても、僕はつきたくない。」
私はこの話に本当に共感だった。
「そうだよね。本当にそう思う。」
例えば、約束に遅れてしまったとかね、そういう場面だとしても、嘘をつかなきゃって思う人と、正直に理由を話そうって人の両方がいると思う。
私もね、嘘なんてつく必要全くないと思う。
そもそも、自分が思っているよりも、嘘って相手にはバレてるもの。
結局その時、うまく取り繕ったように見えても、後からまた嘘を重ねなくてはいけなくなる。
そしてそれがいつか剥がれた時、もっと大きな信頼を失うもの。
寝坊して遅刻したなら、
「寝坊しちゃったごめん!」と謝ったほうがいいのに笑
だって寝坊で失う信頼より、嘘をついたことで失う信頼の方が大きいと、私は思うから。
全く嘘をつかないっていうのは難しいけどね。
でもね、必死に嘘をついて、自分を守ろうとしながら生きるより、正直でいる方が、楽なんだよね。」
私たちは、バスに乗っている間、あのメニューのないレストランの話になった。
「あのシェフのおじさん、本当にグッドガイなんだよ。グッドハートだよね。
それはそうとさ、彼、僕にあのキッチンで料理とかさせてくれたりしてさ。
レシピも教えてくれるんだ。つまみ食いとかさせてくれたりして。
でも、そうやって僕が好き勝手して楽しんでるところ、彼も楽しんでるんだよ。」
「それ、私も!だけど知ってる?
それ、他の人がやると、彼すっごい怒るんだよ。
一回、あのキッチンで料理しようとしたイスラエル人がいてさ。
彼と、そのイスラエル人、今でも犬猿の仲なの笑。好き勝手させてくれるのって、私とサイードだけなの知ってた?
後、バターミルクとかもくれるじゃん?
あれも、飲ませてくれるの私とサイードだけなんだよ。」
「えーそうだったんだ。知らなかった。ねえ、ミホ、彼にいくら払ってる?食事に」
「私?歴代最安値らしいよ。
5RM!最初は4RMだったんだけど、私、全員この値段だと思っててさ。
でも、私だけ超絶安くしてもらってるってこと知ってから、その日から5RM払うことにしてる。後、お皿洗いもしてるよ。」
「えー!僕6RMだったよ!」
と言って、彼は驚いた顔をした。
6RMも実際相当安い額だ。私が現れる前は、彼が最安値だったんだろう。
私はそこで、こう付け加えておいた。
「でも、知ってる?
こないだね、彼が『ミホは最高のお客だけど、一番のお客さんは、君じゃない』って言うの。
じゃあ一番のお客は誰かってきサイードなんだって笑」
「そんなこと言ってたんだ笑。
僕らが、そうやって、面倒見てもらえるの、なんでか知ってる?
僕らが娘、息子みたいなもんだからだよ。
あとは、単純に、きっと僕らを好きでいてくれてるのさ」
その後、ツインタワーの前の公園を散歩した。
ここは、私が悩んでいるときに、連れてきてもらった場所。
今日、またここを歩くと、あの日サイードの言ってくれた、数々のポジティブな言葉たちが、回想された。
そして、同じホステルに、65歳で世界一周している日本人女性の田島さんと言うかたが滞在していたのが、その女性のことについて、とあることを教えてくれた。
「あの日本人のおばあちゃんいたでしょ。タジーマ。あの人、毎日朝5時に起きてきて、流しをピカピカに掃除するんだ。そしてその後、テーブルまで拭くんだよ。まだ真っ暗で明かりもついてないし、誰も見ていないのに。毎日だよ。僕はスタッフとして働いていて、夜勤の時もあったからそれを知っているけど、誰が見ているわけでもなくそれをしてたんだ。うん、あの場おばあちゃんはすごい人だったよ。」
私は、田島さんから、そんなこと一言も聞いたことがなかった。
もう彼女はチェックアウトしてしまっていたが、心底彼女を尊敬した。
日本に帰ったら、また会いたい。
私たちは、公園を少し歩きながらおしゃべりした後、またバスに乗って、帰路へつく。
途中私は、
「あ、日本の本が読みたいから、ここで紀伊国屋寄ってくわ!」
と言って、途中でサイードとお別れした。
久しぶりに、日本の本を日本語で読むと、知識がすんなり頭に入り、自分がアップデートされるのだった。
私はそこから、夜の街を30分かけて歩いて帰った。
見慣れたこの景色を見れるのも、後少しか。
ホステルへ帰る前、いつも通りお寺で無料のご飯をもらって帰る。
今日はちょっと豪華だった。
ホステルへ帰ると、私は寒気がしてきた。
風邪が本格的に風邪になってきたっぽい。
鼻水もズルズル止まらなくなった。咳もくしゃみも出る。
でも、私は、ムーンと共に、明日の朝までリアの看病に行かなくてはならない。
リアに何かほしいものはあるかメッセージで聞くと、
「何か食べ物を持って来て欲しい」
とのことだった。
でも、もうこんな時間にやっているお店なんてない。
アロー通りの屋台ならまだやっているだろうが、あそこまで行くのに徒歩30分かかる。
それに、ムーンは昨日も夜通し看病で疲れているし、私も、完全に風邪を引いて、鼻水、くしゃみ、咳がやばく、寒気もしていた。
「コンビニでお弁当とパンとか買えないかな。。。」
「マレーシアのコンビニはパンしか売ってないわよ」
とそこに、ムーンがこんな提案をした。
「ねえ、あのお店よ!ホステルの目の前の!あそこならまだやっているじゃない!」
ムーンが意味しているのは、私が毎日行っている、メニューのないレストランのことだった。
「そうだ!!その手があったじゃん!グッドアイデア!!」
「ミホ!あなたなら、シェフと仲がいいから、あなたが行ってきて!」
「もちろん!!」
「でも、多分他の人にあげるって言わない方がいいわ。あなたがホステルで食べたいって言って持って帰ってきた方がいいと思うの。私、パックを持ってるから、そこに移し替えて持って行こう!ミホはこう言う時、なんでも正直に話しちゃうから、一番いいのは余計なことを言わないこと。おっけー?うまくやってきて!」
と頼まれた。
私は、返事をして、彼のお店に向かった。
私がレストランに入るなり、彼はこう言った。
「おい、ミホ。今日、新しいメニューを友達と試しに一緒に作って、君にも食べて欲しくってちょっと残しておいたのに、夕方来ないじゃないか。ほら、もう12時だけど、それでもまだ君が来るのを期待してとっておいたんだ。」
そういってこのお皿を渡してくれる。
私は、めちゃくちゃ嬉しくなった。
ありがとう!!
これをくれる優しさ、新しいメニューを食べられる嬉しさもそうだが、何より、新しいメニューを作って、それを食べさせたいと思った相手が私だったことが嬉しかった。
「だって今日はお昼に来たじゃない笑。ありがとう、美味しい!」
「それでも夕方にも来て欲しかったのに。これ作ったからさ。フィッシュボールだよ」
それはそうと、私は、本題に入った。
「あのさ、今から何か食べたいんだけど、何か作ってくれない?いつも通りでいいから。」
「もちろんだとも」
そう言って彼は料理をお皿に盛り始めた。
「あ、でも、ここじゃなくて、ホステルで食べたいんだよね。だからお皿ごと持って行っていい?」
「もちろんいいよ」
そう言って彼は、お皿に料理を盛り続ける。
私は、その彼の手を見ながら考えた。
よくよく考えたら、嘘なんてつく必要なくない?
普通に、正直に話せばいい。
だって、おじさんだって、リアが体調が良くないのは知っているし、何も隠す必要ないじゃん。
そこで私は、正直に話し始めた。
「あのね、嘘ついてごめん。今から話すこと、他の人には言わないでいてくれる?本当は、これ、リアのために持っていくの。今リアはこのホステルじゃなくて別のところで休んでるから、そこに看病しにいくんだ。」
このレストランは、ホステルのみんなが大好きな場所で、溜まり場ともなっている。
もし、おじさんが喋って、噂になりでもしたら、リアもいい気はしないだろう。
でも、このおじさんは、リアが体調が悪くなった現場にちょうど居合わせたので、彼になら言ってもいいはずだ。
「そうだったのか、大丈夫。誰にも言わないから。今は彼女は少しは良くなったのか?彼女は別の場所にいるのか?どこだ」
「昨日よりはだいぶいいみたい。でもまだ安静にしてるよ。ここからタクシーで10分」
「そうだったのか。話してくれてありがとう。君が嘘をつけないタイプって言うの知ってたよ笑。正直でいてくれてありがとう。最初から言ってくれれば、お皿じゃなくて、このタッパに入れてあげたのに笑」
そう言って笑いながら、彼はお皿の料理を、タッパーに移し替えてくれた。
私は思った。
やっぱり、こう言う時に、私は嘘をつくよりも、正直でいる方が、よほどいいと。
無駄に嘘をつく必要なんてない。
私とムーンは、料理を持って、リアの元にタクシーで向かった。
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