ムーンとアイス(?)クリーム。中国人と日本人って。
夜、ホステルに帰って、wi-fiを繋いでメッセンジャーを開くと、
ムーンからメッセージが入っていた。
「アイスを買ったから、帰ってきたら一緒に食べよ!」
私は外でインターネットが使えないのだが、ホステルに帰って、wi-fiを使ってメッセンジャーを開くと、ムーンが何度もメッセージを入れてくれていたようだった。
そんなメッセージにウキウキしながら、
しばらく部屋で彼女を待っていると、ムーンが帰ってくる。
「ミホー!アイス買ってきたの!一緒に食べよう!
でもちょっと溶けちゃってね。
ドロドロのクリームみたいになっちゃったんだけど、パンに塗って食べたら美味しいよ!」
そう言う彼女は、ニコニコの笑顔。
でもすこし恥ずかしそう。
なんて可愛いんだ。
胸キュンだ。胸キュン。
私より、全然年上って言ってたけど、胸キュンしてしまう。
私たちは、冷蔵庫からアイスを取り出して、
なぜかアイロン台の上で、ドロドロの冷たいクリームを食べた笑
彼女が言うには、
「ロビーで食べると、みんなに見つかるから」
らしい。
溶けたアイスが恥ずかしいのか、みんなにあげられる程量がないからなのか、恥ずかしがり屋の彼女は、そもそも皆んながいるロビーに行きたくないのか、なぜはわからないが、
「ロビーで食べようよ。」
と言っても、彼女はアイロン台の上から移動しようとしないのだったw
実は、いっつも食べ物を分けてくれる彼女。
「なんで私にだけいつもこんなことしてくれるの?」
と私が聞くと
彼女はこう言った。
「あなたはまだ若いんだから。
そしてたった一人で旅をしていて、年上の私が面倒を見るのは当たり前のことよ。
それに私たち、友達でしょ?」
私は、過去に15カ国くらい旅をしたことがある。
けれど旅を始める前の、まだ日本の外のことをあまり知らなかった頃は、
「中国人って、日本人のことをあまりよく思っていないんだろうな。」
と、思っていた。
それはメディアや政治や歴史的な問題が原因だ。
日本と中国は、政治や歴史の問題があるせいで
日本人のことをあまりよく思ってないのだろうな。。。
そんな風に思ってしまっていたのだ。
それに、私の方も、
中国はニセモノやパクリ商品ばっかり作って売っていたり、怖い事件ががたくさん起こったりなど、メディアの影響で、あまり良くない印象を持っていた。
もちろん、それが全てではないことは、頭ではわかっていた。
いい人だっているに決まっている、いい側面だってあるに決まっている。
それは頭ではわかっていたけれど、やっぱりメディアの印象は大きかった。
でも、旅をして、自分の目で見て、直接彼らと話すうちに、その印象はガラッと変わった。
実際には、日本のカルチャーや日本人を好きでいてくれる人は、驚くほどたくさんいる。
情に厚く、ムーンのように優しく、とっても良い意味で世話焼きな人たちにたくさん出会ってきた。
私は、友達に、国籍は関係ない。
と思うようになった。
友達は友達なのだ。
もちろん、政治や歴史の問題で、日本を好ましく思わない人もいるだろう。
でも多くの人にとって、私たち日本人と中国人が友達になる上で、それはあまり関係ないと私は感じる。
人は人、政治は政治だ。
たとえ政治上で仲が悪くとも、友達は友達なのだ。
路上ライブをしていても、それを感じることが本当にたくさんある。
最初は、歌を歌っている間、中国人を見つけると、
彼らは日本人の私のことをあんまり良く思わないかも・・・
と思いながら歌っていた。
けれど実際にはそんなこと全くなかった。
路上で歌っていると、
「日本のこの曲が好きだから歌ってほしい」
とリクエストされたり、
「中国から来ました!頑張って!」
と笑顔で言いながら、チップを入れてくれる人がたーーくさんいる。
路上で歌っている時に、
「晩御飯一緒に食べよう!僕ら友達だ!」
と言って中国人たちに夕食をご馳走になったことも何度かある。
そして彼らは、
「僕たち、同じアジア人。
顔も似てるし、外から見たって、何の違いもないよ。
言葉は違うけど、おんなじ人間!
友達さ!」
と言っていたのだった。
そして大抵、彼らは、「もっとたくさん食べなさい」と、お酒やご飯をたくさん勧めてくれる。
食べ物をお皿に盛ってとってあげたり、お酒を継いだり、食べ物をご馳走したりすることが、中国人にとっての最高のおもてなしの表現だかららしい。
日本にいて、もし中国人と話したり、交流したり、あまり彼らと関わる機会がない人は、メディアを見て、
もしかしたら、中国人に対してあまり良くないイメージを持つかもしれない。
もちろん、全員が全員、いい人ではない。
時々、彼らと接していて、嫌な思いをすることもある。
でもそれは日本も同じ。どこの国も同じ。
日本人だからとか、中国人だからとか、なに人だからとか、国籍のせいでなく、
人の問題だ。
日本にいると、中国の悪いニュースがたくさん入ってくる。
そのニュースで形作られてしまう中国人という人たちや、中国という国イメージと、
実際に彼らと出会って、話して、友達になってみてわかる彼らの姿は、
かけ離れていると感じることが多い。
情に厚く、優しく、賑やかで楽しい人たちが多いと私は思う。
もちろん人によると思うけれど、
少なくとも、私はそう言う人たちにたくさん出会い、たくさん親切にしてもらってきた。
日本と中国は政治上の衝突が多々あるが、友達は友達、政治は政治なのだと、旅に出て、彼らと出会う内に強く思うようになった。
友情を築くのに、国籍は関係ない。
メディアは、ある一部の側面を切り取って、伝えるもの。
メディアで見える部分は、大きな氷山のたった一角でしかない。
その一部の部分が、物事の印象の大枠を形作ってしまうことは、普通のことかもしれない。
けれど、
様々な情報に触れることが簡単にできるようになった今の時代だからこそ、
自分の目で見て、触れ合って、そして感じて、相手を知り、自分で考えることが大切だと、私は思う。
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