旅立ちの日、シンガポールへ – 旅するシンガーソングライター|内田美穂
旅するシンガーソングライター

ヘッダー
シンガポール

旅立ちの日、シンガポールへ

1月22日。

出発の日。

 

「あんた今日出発すんじゃないの?早く起きなさいよ!」

セットした目覚ましを何度も止めて、
寒い部屋の布団の中でうずくまっていると、
お母さんが起こしに来る。

朝にめちゃくちゃ弱いあたし。
出発の日でさえも、なかなか起きられない。
もうハタチ超えてるのに、なんかスミマセン。

 

でも、この騒々しいのが
いつもと変わらない朝。

一階に降りると、
廊下に置いた
荷物を詰めたバックパックだけが、

旅立ちの日を感じさせる。

 

食卓に着くと、
母がピーマンの肉詰めを出してくれた。

うちでは、試合の前だとか、試験の前だとか、就活の面接の前だとか、
大事なことがあると、
その日の朝にはなぜかピーマンの肉詰めが出る。

 

「まーた旅行?しかもネパールだなんて、よくわかんない国に。。。」

 

出発5日前に突然飛行機をとり、
「ヒマラヤ登山してくることにしたから」

って、打ち明けてから、
今回の旅に反対していたお母さん。


だけどきっと

「気を付けていってらっしゃい」
って思いで、ピーマンの肉詰めにしてくれたんだ。

 

朝食を終え、
よっこらせってカバンを持ち上げると、

お母さん
「ほんとにそんな大荷物で行くの?スーツケースにした方がいいんじゃないの?」

 まあそう思うよね。

今回は、登山靴とシュラフと、その他もろもろ登山用具が入ってるおかげで、
普段の旅の倍の荷物。

でも、バックパックがないと登山できないし、
そもそもバックパックで旅するのが好きだから、さ!

って言ったものの、空港に着いた時には、
肩が引きちぎれそう。

3つカバン囲まれてるし、
マリカー亀の甲羅みたいに、
「今攻撃されてもあと3回は喰らわずにすむなあ」
って分けわかんないこと考えるくらいには、既にヘトヘト。


時々床に荷物を置きながら、休み休み、チェックインカウンターへ向かう。
カウンターで、グランドスタッフさんにパスポートを出すと、

「お1人で?すごいですねー。気を付けて。」

って、シンガポール行きのチケットを発行してもらった。

出国審査も無事に終え、
パスポートにまた一つ、スタンプが増える。


うー!

一年ぶりの海外!
わくわく!

空港って、どうして何度来ても、
こんなにわくわくするんだろ。

離陸直前の、飛行機が速度を上げる前に
滑走路で一度止まるあの何十秒間が、
マラソンのスタートラインで、
全神経をピストルの音が鳴るのに集中させてる時みたいな、
どきどきがあってすごく好き。

その数分後に、飛行機がふわって浮いて、
右に傾いた機体の窓から、遠く下に東京湾が見えると、
落ちないよね、落ちないよねって心配になるんだけどね(笑)

 


それはそうと、
機内食のビーフシチューが

とてつもなくおいしい。

さすがデルタ航空。

飛行機ギリギリにとりすぎて、
LCCが取れずにチケット高くついたの、
ちょっと後悔してたけど、
まあこのおいしい機内食が食べれたんだからチャラだって、思ってもいい。

 

出発から5,6時間、
「当機は、まもなくシンガポールチャンギ空港へ着陸いたします。」

シートベルト着用サインがついて、
アナウンスが流れる。


まんなかの列のから、
首を伸ばして窓の外のシンガポールを眺めようとしていたら、
窓ぎわの西洋人ぽいおじさんが、

「こっちくるか?」って聞いてくれた。

暗くて街の様子はよく見えないけど、
夜0時近いのに、オレンジ色の灯りが
一面に灯り、島の形がはっきりわかる。

先進国だなあ。

 

飛行機が到着して、
外に出れば、
湿気のある生暖かい空気がモアっと顔に来る。

常夏の国、シンガポールにやってきたのだ。

つい半日前まで冬にいたのに、
半年かけてやっと反転するはずの季節が、
数時間でいきなり夏になっちゃった。

入国審査を終えると、
パスポートに11か国目のスタンプゲット。
増えれば増えるほど嬉しくなるやつ。

 

 

 

 

ゲートを出ると、

「君、荷物重そうだね、あっちにカートがあるよ、あれを使ったほうがいいよ」

ってわざわざ声かけてくれたシンガポール人のお兄さん。
ありがとう。

まだ空港だけど、なんとなく、
治安と人の良さを感じる。

 

一番安い、
一週間分のSIMカードを買って、
市内へのバスを空港のベンチで待っていると、
アメリカ人のおじさんに話しかけられた。

 

「インターネットどうやったら使えるの?」

「あたしも空港のWiFi使えないから、SIMカード買ったとこ笑」

 

市内を循環して指定のホテルまでそれぞれ送ってくれる
シャトルバスにおじさんと一緒に乗り込むと、

あたしたちの他に乗客は4人。

南アジア系の男女と、
西洋系の男女。

このおじさん、
シアトルから仕事の出張で来たらしい。

エンジニアをしてるんだって。

シンガポールらしい高くそびえる
ビルの下を通ると、

「東京もこんな感じなんでしょ?」

って聞いてきた。

 

そっかー、

日本は侍がまだいる、江戸時代みたいな街並みの国だとは、思われてないっぽい。

 

そうしてるうちに、
南アジアの二人が降り、
次はおじさんのホテル前に泊まった。

でかーい。
一泊1万円くらいしそうな立派なホテル。

 

オトナってすごいなあ。

 

握手をして、席を立つと、
「Good bye, nice meeting you!」

って、でっかいホテルの中に消えていった。

 

さて、次はあたしの番。

おじさんのホテルを後にして、
ひとつ先の角を曲がると、
エスニックな雰囲気の道へ入る。

ここはアラブストリート。
イスラムの匂いが濃い地域だ。

あたしのホテルもここにある。

そして午前2時。ホステル到着!

家族に到着の一報のラインをして、
中に入ると、もう汗だくだ。

流石に深夜だからスタッフもいない。
あたしは4階の9人部屋のドミトリー。

みんなの寝息が聞こえる中、
そーっとベッドに入るといつのまにか眠っていた。

 

読んでくれてありがとうございます!よかったら
ポチッと↓ヽ(*^ω^*)ノ

にほんブログ村 旅行ブログ 女性世界一周へ
前の記事→ゾウ乗りジャングル探検!ソウラハ村2日目

この記事を書いた人

旅するシンガーソングライター

1994年生まれ/埼玉県出身。 高校生の頃から、ラジオやライブハウスに出演し、シンガーソングライターとして活動。 ​早稲田大学を卒業後、一年のギャップイヤーを経て、2018年4月に広告会社に入社するも、世界一周を決行するべく退職。 現在は、ギター弾き語りで旅費を稼ぎながら、世界一周中!エベレスト等ヒマラヤを二度登山したりと「やらない後悔よりやった後悔」がモットーの旅人。 もっと見る

  uchidamiho2929@gmail.com

-->

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)