2ヶ月ぶりにゲットしたギターで、路上ライブ!!
2ヶ月ぶりに、ようやくギターをゲットした私は、
夕食を終えると、化粧をし、髪を整え、ギターを担いで外へと向かった。
行く先は、クアラルンプールの中でも、最も大きなフードストリート、アロー通りだ。
この時間、アロー通りは、身動きをとるのが難しいほど、人でごった返している。
そして、十数メートル置きに、ギターやスピーカーを持ったバスカーたちが、歌を歌ってお金を稼いでいる。
バスキングをするには、絶好の場所なのだ。
私は、
「ギターが届いたら、ここでそんなバスカーたちに混ざって歌うぞ!」
ということを、数週間前から決めていた。
アロー通りにたどり着くと、人の波の中を掻き分け掻き分け、どこが歌うのにちょうど良いかを探しながら歩いた。
その際にも、
「オネエサン!ニホンジン」「コンニチハ」「ヤスイヨ」「オイシイヨ」
といった片言の日本語で、屋台の呼び込みのマレーシア人のお兄さんたちが、話しかけてくる。
そんな彼らをスルーしながら、通りの真ん中らへんまで来ると、私は一度立ち止まった。
するとお兄さんが、
「ここで歌う?」というように話しかけてくれる。
私は「いい?ありがとう」
と言って、そこでギター取り出し、ギターケースを自分の前に置くと、
ざわざわとした人混みの中、声を張って歌い始めた。
歌い始めて数分で、通りぎわに
「グッドラック!」
と言ってサッとチップを入れてくれ、去っていく人たちが現れた。
そしてもう数分すると、ビデオを撮ったり、写真を撮ったりして、私の前にしばらく立ち止まってくれたり、じっと歌を聞いてくれる人たちも現れ始めた。
いつも通り、
「一緒に写真を撮ってもいい?」
と言ってくれる人なども出てくる。
「もちろん!!」
と言って、私たちはセルフィーのシャッターを切った。
これこれこの感じ!!!!
数ヶ月ぶりのバスキングは、本当にワクワクした。
しばらく味わっていなかったこの感じをじわじわ噛み締めた。
本当に、国籍関係なく、色々な人たちが、応援してくれる。
欧米系の人たちに、マレーシアの人たち、インドネシア人、シンガポール人、中東からの人や、中国人、韓国人、日本人、、、!
これだけ色々な国の人が、
そして世界中の人たちが、
名前も知らない誰かでしかない私のことを、
頑張って!
と応援してくれることが、本当に嬉しかった。
旅をしていると、世の中の汚い面もたーくさん目にする機会がある。
だけど路上ライブをすると、やっぱり人の優しさや温かさを思い切り感じるのだった。
でも、中でもこの日は、声をかけてくれる人は、日本人が一番多かったように思う。
「日本人なんだ!同じ国から来たんだから、応援したくなっちゃう!」
と言ってくれる人が多かった。
そして、久しぶりに日本語を喋ったせいか、私の方も
「日本人ってだけでやっぱり安心するなあ」
という気分になった。
日本人同士だと、やっぱり、通じ合えるものが、あるような気がするのは私の勝手な思い込みだろうか。
仲良くなるに国籍は関係ないとは思うんだけど、
それでもなんとなく、なんだかホッとするような、他の国の人たちとは共感できない何かを、日本人だとやっぱり共感できるような気がするんだよね。
まあ、単純に、日本語のせいかもしれないけど。
そして、道ゆく人たちだけでなく、
「コンニチワー!オイシイヨ!ヤスイヨ!」
とさっき私に話しかけてきた呼び込みのマレーシア人の人たちまでも、チップを入れてくれたり、
頑張って!
と言ってくれたり、じーっと歌を聞いてくれたり、手拍子をしてくれたり、笑顔を向けてくれたりしていたのが、とても印象的だった。
彼らは
「グッドグッド!」
ってただ私を褒めるためだけに寄ってきてくれたりするのだ。
さっきまで、私を観光客としてしか見ていなかった、呼び込みしてる時の彼らその表情と、私が歌っているときに近づいてきてくれたその時の表情は、全く違うものなのだ。
この日、アロー通りでは、私のバスキングをしているちょっと離れたところで、物乞いの人たちがカップを持って、道行く人たちにお金を乞うていた。
私たちバスカーも人通りが多い場所、彼らも人通りが多い場所を選ぶから、必然的にバスカーと物乞いの彼らが比較的近い場所で共存することなる。
そんな人たちを見ると、時々、
「自分がやってることって一体。。」
と考えてしまうこともある。
だがこの日、そんな物乞いの人が私の前を通りすぎる時に、
笑顔で
「グッドグッド」
と言いながら👍の、ポーズを私に向かってしてくれたのだ。
この日だけでなく、時々そういう人たちが、じっと私の歌を聴いたあとに、和やかな笑顔で拍手をして、去っていく時もあったりする。
もちろん全員がそうではないけど、少しだけ、自分のやっていることの肯定できなかった部分を、肯定できた日だった。
ギターをしまい、私は元来た道を引き返す。
すると、さっきまで、「ヤスイヨ、オイシイ」なんて呼び込みしていたお兄さんたちが、
颯爽と歩く私の腕を急に掴んだかと思うと、
「ここでも歌っていいよ!僕の店の前でも!あそこの方がもっと人が通るよ!」
なんて教えてくれたりした。
なんか呼び込みしてる時って、
「お客を呼ぶのに必死なんだなあ」
って顔つきなんだけど、そうやって、歌った後に話しかけてくれる彼らの顔はとっても和やかで、なんだかちょっと嬉しくなるのだった。
6/12
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